経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるブログ

経済

10-12月期GDP1次・どのように成長は加速したのか

10-12月期GDPは実質前期比+0.7と高かったものの、2024年は、1-3月期の低さが響いて前年比+0.1とゼロ成長にとどまった。成長の基礎は、設備投資比率なので、こちらは16.6%と前年比+0.2で、アベノミクスでの最高を超え、イザナミ景気の最高に並んだ。成長は加…

貧しくも金持ちになった2024年

12月のCTIマクロが公表され、名目は前月比+0.4と、思ったより高かった。これで実質の10-12月期の前期比は-0.0で持ちこたえることになる。いまの景気の局面では、名目であろうと、消費が着実に伸びることが重要なので、とりあえず、ほっとした。総雇用者所得…

円安下の消費とトランプ就任

11月の消費は、CTIマクロが名目前月比+0.4と順調だった。もっとも、実質だと、CPIが+0.7と物価高だったため、-0.0にとどまる。12月は、東京都区部のCPIが+0.7と高く、消費者態度が-0.2とほぼ横ばいだったことからすると、同様の傾向が続いていると思われる。…

7-9月期GDP2次・設備投資は需要に連れ

7-9月期のGDPは、1次速報で前期比+0.2だったものが、2次速報では+0.3に上方修正となった。季節調整のかけ直しで、家計消費(除く帰属家賃)が+1.1から+0.8に縮み、代わりに、在庫と純輸出が押し上げた。日本経済には珍しく、消費が成長を牽引しており、やって…

消費のための金融と財政

10月のCTIマクロは名目で前月比+0.1と増勢を保ったが、実質では-0.1と7か月ぶりのマイナスとなった。消費は、賃上げと定額減税で順調に伸ばしてきたけれども、このところの物価高があって陰りが見える。11月の消費者態度は持ち直しているし、12月のボーナス…

「年収の壁」除去は、年金改革と少子化対策の必須パーツ

9月の人口動態速報の出生は、前年同月比-4.4%、過去1年間は-5.3%だった。合計特殊出生率に換算すると1.15人のレベルが続いている。厚生年金の財政検証では、経済前提が過去30年投影ケースで、出生中位だと所得代替率が50.5%で収まるが、出生低位だと46.8%と…

コレジャナイを極める「年収の壁」の政策論議

国民党の手取増・壁除去を巡る政策論議は、ますますコレジャナイものになってきた。地方税収が心配だと言って、単一税率の住民税を分離したら、ますます低所得への分配が不利になってしまう。そもそも、所得控除の引き上げでは、手取増は偏るし、壁除去には…

7-9月期GDP1次・強い消費に救われる

7-9月期GDPの実質成長率は前期比0.2%で、消費が予想外に強かった。除く帰属家賃の名目は+1.5%もあり、実質も+1.1%であった。CPIの+0.9からすると、消費のデフレーターの+0.5は小さい。他方、設備投資、住宅、公共はマイナスであり、輸出の伸び悩みからすれば…

それぞれの「壁」を超える経済政策

9月のCTIマクロが出て、7-9月期は実質で前期比+0.5となった。思ったより高くて安心したよ。むろん、名目は+1.1と好調だ。いずれも、前期より加速した形となった。やはり、可処分所得を伸ばせば、消費が増えるということで、岸田政権の定額減税が奏功したと言…

イシ(タマ)ノミクス・パーシャルで良い経済政策を

この国に足りないのは財源ではなく理想だというのは、本コラムの年来の主張だ。思いつきで経済政策が採られ、趣旨は悪くないが、的を外してばかりいる。非正規の育児休業給付を外して少子化対策をしてみたり、若い低所得者に恩恵の薄い所得税の控除を大幅に…

繁栄と停滞を分かつもの

似たような国なのに繁栄と停滞に分かれるのはなぜなのかというのは、ノーベル経済学賞の受賞で話題のように、興味深いテーマである。繁栄と停滞の違いは、経済が成長するかしないかであり、設備投資が高いか低いかの問題である。そこで、制度が問題であり、…

貧困化から脱出させた政策とは

エンゲル係数は伝統的な貧しさの指標なので、それが上昇していると日経に聞かされると、米価の高まりで麦飯を食べる人が増えていたりもするので、いよいよ、この国も衰えが来たと、妙に納得してしまうが、足下では状況が変化していると分かると、見方は変わ…

4-6月期家計GDP・生産至上の経済学

10/9に4-6月期の家計GDPが公表され、名目の可処分所得は前期比+2.4%と高い伸びであり、家計消費の+1.4%に見合う高いものだったことが裏づけられた。お金があれば使うという、ごく当たり前の現象である。消費はGDPの過半を占めるから、消費が伸びなければ成長…

必要な経済政策は偶然に選ばれる

自民党は石破新総裁に変わったが、経済政策上の課題は変わらないし、適切な政策が選ばれるかは、誰が選ばれようとも、偶然でしかないのが、この国のありようである。さしあたり、昨年は、補正が13.2兆円、定額減税が3.2兆円だったものを、今年は、どうするか…

4-6月期GDP2次・消費トレンドのプラス転換

4-6月期GDPの2次速報は、実質前期比+0.7%と、消費と設備投資が少し減り、若干の下方修正となった。今期、名目GDPは。めでたく600兆円を超えたが、実質では558兆円に過ぎず、1年半前の水準さえ超えられずにいる。設備投資は93兆円で、10%消費増税前の最高をと…

進次郎は勤労者皆保険を1年でできるのか

A・V・バナジーは、「成長の決め手といったものは存在しない」と言うのであるが、それもどうかと思う。突き詰めれば、「輸出が成長を加速する理由が分からない」ということであり、主流の経済学だと、理解しがたいというだけのことである。現実には、金融緩…

次の世代が挑む総裁選

岸田首相、茂木幹事長、高市元政調会長、小池都知事、細田前衆院議長には共通点があり、いずれも沖縄相を務めていた。これは偶然ではなく、小泉政権から政権交代が起こるまで、若手有力政治家の登竜門になっていたからだ。必ずしも中央を快く思わず、外交安…

4-6月期GDP1次・消費主導の成長とは

実質成長率は年率3.1%、家計消費(除く帰属家賃)が前期比+1.2%となり、名目だと+1.8%に達した。可処分所得が増し、消費が成長したことを素直に喜びたい。雇用者報酬が伸びているのに、負担増で可処分所得を削り、消費を低迷させていた2023年から脱却したこと…

1-3月期家計GDP・消費が伸びなければ、成長はできない

今週は、1-3月期の家計GDPがオープンになり、可処分所得は前期比+2.7%と高い伸びとなった。要因は、低所得層向けの物価高対策によって、社会給付が前期比+7.2%と跳ねたためである。その割には、既報のとおり家計消費(除く帰属家賃)は、前期比+0.16%と平凡だ…

1-3月期GDP2次(臨時改定)・政府部門の寄与低下

建設工事受注動態統計の回答者の報告誤りによって、基礎統計の大幅な訂正が生じ、GDPも臨時に改定されるという異例の事態となった。1-3月期の実質GDPは555.3兆円から-0.5兆円少ない554.7兆円となった。公的資本形成が-2.2兆円、民間企業設備が+2.1兆円の改定…

骨太方針は十年一日の同工異曲

骨太方針2024が決定され、目玉は「全世代型リ・スキリング」と「半導体等の大規模投資の支援」だ。10年前の2014では、「人材力の充実・発揮」と「イノベーションの促進」だったので、やっていることに大して違いはなく、基礎的財政収支の黒字化を進める方針…

1-3月期GDP2次・成長とイノベーション

1-3月期GDP2次速報では、名目成長率の前期比が+0.1%からゼロ成長に下方修正された。寄与度では、設備投資が-0.0から+0.1に上がり、在庫が0.2から0.1に下がっている。2次では総資本形成の内訳が分かるが、輸送用機械だけでなく、その他の機械設備等も下がって…

出生率の低下は経済的なもの

2023年の日本の出生率は1.20人となって過去最低を大きく更新した。こうした大きな低下は、中国、韓国だけでなく、フランスや米国でも見られる。こうした共通性があると、文化や社会の問題というより、経済の問題だろう。生活苦によって、低所得の若者が結婚…

円安による景気の陰り

4月の景気ウォッチャーは、前月比-2.4と低下し、前月が-1.5だったこともあって、判断も「このところ弱さがみられる」に下方修正された。原因は、円安による物価高で、「判断理由」に表れている。物価の安定が日銀の使命なら、輸入物価が高騰しているのだから…

何のための金融政策

ドル高に苦しんでいるのは、日本だけではなくて、途上国では、辛くても通貨防衛のために利上げを忍んでいるだから、日本も、そうすれば、良いだけである。期待を裏切るようなことをすれば、円安が進むのは当然で、それを望んでいたとしか思えない。それとも…

金融政策はドル円に、財政は成長に

米国の利下げが遠のき、またぞろ円安が進み、155円が目前になってしまった。教科書的には、国際金融のトリレンマがあるのだから、米国の金融政策に協調して、利上げをすれば良い。しょせん、日本は、ドル円が大事であり、円高では金融政策の自由を捨ててきた…

10-12月期家計GDP・問題を認識していないのが真の問題

輸入物価が上がった、売上げが上がった、賃金が上がった、しかし、消費は上がらない。循環の最後が切れている。4/10公表の10-12月期GDP家計四半期速報を見れば、可処分所得が抑圧されていることが理由だと分かる。可処分所得が増えないのは、財政が吸い上げ…

決着のついた経済運営と次のアジェンダ

2月のCTIマクロは、名目が前月比+0.5と上向き、4か月ぶりのプラスとなり、水準を更新した。消費者態度が水準を更新したタイミングでの到達で、自動車の供給制約の中でのことだから、上出来だと思う。家計調査では、勤労者世帯の1,2月の名目実収入が前期比+2.…

10-12月期GDP2次・単位労働コストの推移

マイナス金利も解除になり、金融政策は転機を迎えた。背景のデフレ脱却の状況を単位労働コストで見てみると、10-12月期は前期比+0.1で2期連続の上昇となっている。1月の毎月勤労統計は雇用も給与も伸びており、1-3月期のGDPはマイナスが予想されているので、…

初任給と結婚の貧困

今年の賃上げは、連合の1次集計で5.28%と、1991年以来の高さになりそうだ。これを受けて日銀は週上げに利上げに踏み切る運びで、名実ともにデフレ脱却の画期と言える。また、人手不足を反映し、初任給を大きく引き上げる例も多い。裏返せば、デフレ期には、…