経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるブログ

サナエノミクス・現実的な財政と金融

 2025年度予算の補正が決まり、前年度の補正後と比較すると、基礎収支の赤字は4.1兆円の改善であった。すなわち、若干の緊縮財政が行われ、緩やかながら財政再建は進んでいるわけだ。どうして、これで財政破綻の危険だの、インフレの加速だのと叫ばれなければならないのか。雰囲気で議論するのではなく、中身を測って議論したいものだ。積極財政派の主張の粗さが雰囲気を悪くしてもいるけどね。

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 10月の商業動態・小売業は、前月比+1.8と伸びたが、夏場の低下で、今年前半の水準にも達していない。GDPの消費は、サービスで支えられていて、モノほど悪くはないが、2024年の勢いは失われている。こうして見ると、イシバノミクスで定額減税をやめたのは拙かったと思えてくる。物価高での財政出動は間違いという人も多いが、現実は、緊縮でブレーキをかけるのに成功していたのであり、補正は、それを戻すような位置づけになる。

 10月の鉱工業生産は、前月比+1.4で、10-12月期は+1.2を確保しそうである。鉱工業生産は極めて緩やかな増加傾向にある。財別では、消費財は、今年前半に水準を上げた分を落としていく形であり、建設財は、住宅着工の落ち込みで下げた分を取り戻す形だ。10月の住宅着工は、大きく伸びて、規制強化による駆け込みと落ち込みから脱した。元の水準に回復して、やれやれである。

 10月の労働力調査は、雇用者は前月比+16万人で順調だった。ただ、今年度の前半は、月平均が4万人ほどと勢いが弱まっていた。新規求人倍率も、同様に弱く、前半はマイナス続きで、10月も前月比-0.02だった。雇用は、賃上げや人手不足はあるが、失業率は、わずかに上がっている。ありていに言って過熱感はなく、今回の補正でインフレ加速を心配するような状況ではない。

(図)

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 今の局面での長期金利の上昇は、財政悪化の実態がないのだから、植田日銀のハト過ぎる政策が円安を呼び、それに物価高が伴うというリスクからではないか。もっとも、今の長期金利の水準が、日銀の目指す物価上昇率と比べて、高過ぎるわけでもない。高市政権としては、低金利に拘っているような現実離れした印象を払拭することが必要だろう。財政は、とりまきが粗いことを叫んでいても、現実的にしたのだから。


(今日までの日経)
 こころの不調、経済に霧。米マイクロン、広島にAI半導体新工場。大型補正、市場の信認問う 遠のく基礎収支黒字化。次世代造船、国内5社連合 世界で競争力。補正予算案、新規国債11.6兆円 税収2.9兆円上振れ。日銀、経常利益13%減。