経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるブログ

サナエノミクス・停滞感の下での緊縮財政の緩和

 11月の商業動態・小売業は、前月比+0.7ではあるが、1-3月期の水準を超えていない。つまり、この1年、ぜんぜん伸びなかったということだ。他方、CPI財は、+2.3程なので、実質では減っている。第3次産業活動指数は順調だから、サービスが伸びてはいるが、売上の伸びは賃金や成長のカギなので、心配なところだ。こういう停滞感の下で、物価高であっても、高市政権が、石破政権のきつい緊縮から、緩い緊縮に改めたのは妥当であろう。

 11月の鉱工業生産は、前月比-2.7ながら、9,10月の高さが効いて、10-12月期はプラスを確保しそうだ。今年は8月までは横ばい状況で、秋に盛り上がったものの、後で戻らないかが焦点になる。これは、トランプ関税の影響で秋に輸出が伸びたことが背景で、これが続くかどうかである。財別で見るとと、資本財は強め、消費財は停滞、建設財は底入れといったところだ。むろん、物価高でも生産に過熱感はない。

 11月の労働力調査は、雇用者が前月比+20万人となり、10-12月期は、4-6、7-9月期の中だるみから脱しそうだ。もっとも、女性は好調なのに対して、男性は横ばい状況である。11月の失業率は女性が2.2%に改善したのに、男性は2.9%に悪化している。11月の新規有効求人倍率は、前月比+0.02と5か月ぶりのプラスだった。この1年、ずるずると後退するばかりであった。賃上げでも雇用が鈍いのでは、消費が過剰になるとは言えまい。

(図)

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 日経の記事のように、財政赤字を憂える人は、批判のネタを見つけてはあげつらう一方、真っ当な管理がよく分かっていなかったりする。借金の管理には、今より増やさない、利子は払う、元本を返すの3段階があり、基礎収支の赤字をなくすのは第1段階で、これに高市政権は到達した。第2段階は、基礎収支の黒字を利払費と同じにすることだ。さすがに13兆円まで持ってくるのは急すぎるが、1.3兆円にはした。これは、偶然だと思うが、金利上昇に伴う利払費の増加に見合うものである。これを続けるなら、財政は安泰だ。

 それなのに、元本返済まで恐怖を煽り続けるのは、愚かだと思う。政府も、次の財政再建の目標として、利払増への対処を掲げたら良い。そして、もう一つの次の目標は、補正予算の縮減だ。これも、急にやっては経済に悪影響が出るので、徐々に進めるしかなく、経済の状況に合わせてやることになる。第3段階の元本返済になると、マクロ経済上、本当に必要なのかは謎だ。企業が無借金を目指すみたいなもので、やらなくて構わないかもしれないし、相続税によって、自然に解決するものかもしれない。では、良いお年を。

 

(今日までの日経)
 インフレ定着、際立つ株高。高市予算、かりそめの黒字 補正予算で収支悪化/金利上昇で利払い増。中国車が世界販売首位に。労働力、初の7000万人視野。コメ不足一転、膨らむ在庫。子育て時間増すばかり。