経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるブログ

売上の動向と財政の安定

 11月のCTIマクロは、名目が前月比+0.4と好調だった。7-9月期に大きく減速したものの、10-12月期は、そこから少し加速している。GDPに従って改定されたようで、7-9月期の停滞が緩和された形に変わった。現下の景気の焦点は、売上を失速させないことである。これが設備投資や賃上げにつながっている。消費活動指数やソフト指標には停滞が強く出ており、金利上昇を気にして緊縮を望む局面にはない。

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 経済には、売れると思うから生産力を増強し、それで所得が生まれるから売れるという、予言の自己成就の要素がある。まったくもって不合理ではあるが、現実を否認したところでしかたがない。今の景気は、コロナの制約を免れて、売上が急増したことを起点とし、名目の成長が加速したものだ。この勢いを弱めないようにしながら、実質化を図っていくのが経済政策の課題であり、それには安定的な財政が求められる。

 高市政権は緩い緊縮を選択したが、金利上昇と円安に驚き、無責任の批判が現れることになった。日経は、昨今のアルゼンチンを引いたり、ドイツとの金利差を指摘したりと、どんだけ緊縮が好きなんだよと思う。しかも、実は疲弊しているとか、10年債は未だ差があるとか、主張に反することも書いていて、緊縮とは意固地な思想で、なかなかに現実を認めたくないものだなと、つくづく思う。

 もっとも、積極財政派とて、投資を促進する財政支出なら大丈夫みたいな粗い主張をするから、緊縮財政派は意固地にもなる。今の時代、先祖返りのように国産振興の産業政策を打つのは、やむを得ないだろう。かつてと同様、成功も失敗もあるのも当然だ。あとは、それがマクロ政策に代わるという幻想を持たないことが大事だし、財政的には、補助金である必要があるのか、融資、出資、債務保証ではできないのかが問われる。補助金の元は国債であり、利払を経常的に負担するからである。

 安定的な財政は、現下の「売上は2.7%は伸びるだろう」(2025年企業行動アンケート)という企業の期待を壊さないためのものである。不用意な緊縮をして消費が伸びず、期待が低下することを避けるわけである。しょせん、設備投資は売れると思う分しか出て来ないし、売れるのにしないやつもいない。産業政策で旗を振ってもムダだし、設備投資の大半を支える平凡たる産業を大事にするものなのだ。

(図)

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 解散報道が流れて、金融市場は大荒れだが、総選挙の大儀名分は、どうするのかね。アベノミクスは、「これで景気が救われる」というやってる感で勝利したが、「責任ある積極財政」だと分かりずらい。予算が国会で行き詰まったら、緊縮を求める野党を突破する体で解散するとかはあると思っていたが。もっとも、国会が終わる夏になると、アピールするネタがない。給付つき税額控除で信を問うのは、仕込みが大変だしね。


(今日までの日経)
 半導体復権、最後のチャンス。タクシー運転手は収入4割増。食費節約迫られる家計。ビザ・在留手数料上げ 3500億円増収。10年債利回り 日本とドイツの差1%切る。アルゼンチンの財政改善 国民は疲弊。健保組合の料率下げへ国補助200億円。S&P500連動投信、残高10兆円。社会保障制度を個人単位に・近藤絢子。