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経済政策と社会保障を考えるブログ

緊縮速報・2021年度はGDP比+3.1%の改善

 1-3月期の資金循環統計が公表になり、2021年度の結果が判明した。一般政府の資金過不足は名目GDP比-6.6%となり、前年度比+3.1%の改善となった。2020年度が-9.8%もの深さであったから、順当ではあるが、早くもリーマンショック後の水準から脱して、アベノミクスのスタート時の2013年度に近くなった。2021年度は36.0兆円の補正を組んでもこうなので、2022年度は一気に-2.0%程度の「正常」な水準まで戻る可能性は十分にある。

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 2021年度の一般政府の中身を見ると、中央政府GDP比-7.8%とリーマン後並みの赤字になっているが、リーマン後とは違って雇用が比較的安定していたため、社会保障基金には大きな悪化が見られず、+0.6%の黒字になっている。こうした違いがあるため、財政赤字を考える場合には、国・地方の財政だけでなく、公的年金などの社会保険の収支までレンジを広げて見ないと、状況の把握を誤ることになる。

 2022年度は、まだ2.7兆円の補正を組んだだけで、前年度より33.3兆円も少なく、税収等は2022年度での増が、国・地方・年金で6.4兆円程が見込めるので、これから、10兆円規模の補正を追加したとしても、2015~19年度にかけて到達していたGDP比-2.0%程度の「正常」な水準へ戻ることになる。そして、次の2023年度に、補正が剥落すると、財政再建の目標の2年も前に、一般政府の黒字化はできてしまう。

 次に、部門別の状況を確認すると、2021年度の資金過不足は、非金融民間法人GDP比+1.6%で、同-0.4%の減だった。コロナ禍で一時高まった資金超過が落ち着いてきている。家計は、家計は+5.8%と、-2.0%の減で、大きく下がったものの、前年度が異常に高かったため、平常時のレベルからは相当高い。そして、海外は-2.3%で、0.7%の増となり、経常黒字が縮んできたことがうかがえる。

 部門間の過不足については、リーマン後は、非金融民間法人と一般政府がウラハラの関係で推移したが、コロナ禍では、家計と一般政府がウラハラとなっている。感染防止の行動制限が解除され、今後、サービスを中心とした消費が回復すれば、政府が経済対策で補うまでもない。もっとも、家計が貯蓄超過を減らすウラハラは、資源高にある海外ということにもなりそうである。

(図)


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 2021年度の国の税収のリークがあり、各紙は約67兆円と伝えている。本コラムの予想より低めとなったが、それでも、2025年度の財政再建の目標は、7.5兆円の過剰達成になる計算だ。これを再分配、とりわけ、出生減が危機的な少子化対策に充てたいものだ。朝日は、「非正規労働者などにも育休給付」(7/1)と独自に報じた。むろん、焦点は、法人税が急伸する下で、財源の企業負担をどうするかである。伸びた法人税を、育休給付のほか、低所得者社会保険料軽減に充て、非正規への勤労者皆保険を実現することは、企業収益を賃金へ還元するのと同じだ。それとも、財政再建で一人占めするのか、参院選後の検討の行方が注目される。


(今日までの日経)
 香港変貌、中国の「財布」に。サハリン2、日本排除も。中小の価格転嫁に遅れ。GPIF、10兆円黒字 21年度。国の税収、昨年度67兆円に 過去最高を更新。韓国の最低賃金5%増 時給1010円、日本の大都市級。