経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるブログ

12/3の日経

7-9月期の法人企業統計は、売上高が前期比で2期連続でのマイナスだった。製造業は前期と同じ-0.5%の低下幅、非製造業は前期の-1.2%の後の0.0%だった。売上高人件費比率は、景気減速時に見られる上昇となった。賃上げは、売上増が前提だから、先行きが心配だ…

サナエノミクス・現実的な財政と金融

2025年度予算の補正が決まり、前年度の補正後と比較すると、基礎収支の赤字は4.1兆円の改善であった。すなわち、若干の緊縮財政が行われ、緩やかながら財政再建は進んでいるわけだ。どうして、これで財政破綻の危険だの、インフレの加速だのと叫ばれなければ…

11/26の日経

9月の人口動態速報・出生は、過去1年間の前年同月比が-3.2%と、また少しマイナス幅が縮まった。合計特殊出生率なら1.20くらいの水準だ。他方、婚姻は+2.3%まで浮上した。このまま2年連続で増加してほしいものである。初の女性首相が誕生したが、少子化対策と…

7-9月期GDP1次・インフレにならない補正予算

経済対策の顛末をめぐる日経の報道が本当なら、高市首相・片山財相のコンビは、なかなかやるね。ポイントは、積み上げるためのタマ(施策)を自分で探し、どこまでならインフレにならないかを意識しつつ、国債の新規発行ラインを24年度の発行総額を下回る形に…

11/19の日経

7-9月期GDPは、実質年率で前期比-1.8%と、それなりに大きなマイナス成長だった。原因は、住宅と純輸出の減で、住宅は一時的なものだからまだしも、純輸出は仕方がないで済まないところがある。トランプ関税の影響はあるが、前期に伸びた反動もあって、財貨輸…

経済対策はお金を使うのに苦労する

昔、経済対策で全生徒にパソコンを配ってはどうかという愚策があった。そんな一気の供給力はないし、需要の急増と急減で産業を壊しかねない。馬鹿な思いつきだけど、安全保障の投資でAIを構築するとして、GPU半導体は確保できるものなのか。このように、補正…

11/12の日経

10月の景気ウォッチャーは前月比+2.0と、普通なら好調と言いたいところだが、春先の低下から、ようやく戻しただけである。春先の不調は物価高が背景で、その後、トランプ関税の不安心理はあれど、定額減税の剥落で夏場の盛り返しも弱かった。2024年は、定額…

財政再建の再設定は無用である

高市首相は基礎収支の黒字化を数年単位で判断すると言うし、諮問会議のメンバーも変わるしで、財政管理の方法は変化するようだ。従来の欠点は、黒字化の年限を切ったことで無理な緊縮が求められること、税収の見積もりが過少なこと、社会保険が度外視されて…

11/7の日経・ガソリン減税の財源はガソリン税で

日経は、社説で「ガソリン減税は財源と脱炭素の対策示せ」としたけれど、知恵がなさすぎるよ。こういうのは、代案を示さないと意味がない。いったん廃止して25.1円下げるけど、翌年から毎年、2.3%、3.6円ずつ増税すれば良いだけだ。これで7年後には税収は元…

11/5の日経

労働力調査の雇用者は、春から明らかに増加が鈍っている。雇用は遅行指数なので、秋冬の物価高で売上が伸びなくなってきたのを受けてだろう。雇用に影響が出てきた以上、景気後退とは言わないまでも、停滞していることは認めざるを得まい。景気悪化なら利下…

サナエノミクス・景気の悪化とチグハグな政策

株高、円安でスタートしたサナエノミクスだが、売上は落ちるし、輸出は減るしで、散々な状況だ。11/17に公表される7-9月期GDPは、6四半期ぶりのマイナス成長が予想され、景気は悪化している。目指すべきは、売上の拡大を図りつつ、物価を落ち着かせることだ…

10/29の日経

9月の消費者物価指数・全国は、総合が前月比+0.1で、7-9月期の前期比は+0.4となり、落ち着きが見られる。その背景には、今年前半の円安是正がある。ところが、日銀が7月に半年に一回の利上げを見送ってから、円安がぶり返してしまった。今日は、日銀の金融政…

社会保障を支えるニッポンの移民

「移民は嫌だ」という国民感情は、困窮や搾取のイメージがあるからだろう。しかし、実態は異なり、「国際雇用民」である。従って、福祉を受けるよりも保険料を負担してニッポンの社会保障を支えている。昨年の出生数は3.8万人も減り、公的年金の将来を揺るが…

10/22の日経

高市政権が自維連立で発足したが、連立の条件の国会議員の50人削減は、唐突なものだった。しかし、人口減を踏まえると、やむを得ないものでもある。現在の議員定数になった2017年を起点にすると、出生低位の推計では、人口は2050年までに2割減る。完全に議員…

金融緩和と財政出動の意味論

成長や景気は、設備投資次第である。その設備投資は、金融緩和や財政出動では動かない。なぜなら、設備投資は、売上への期待に拠るからだ。例えば、輸出が増えると、設備投資も増える。売れると思うから投資して生産する。当たり前と言えば、当たり前だ。し…

10/15の日経

今日は、統計発表の谷間なので、金融政策の年表でも眺めることにしよう。現在の政策金利は0.5%で、もし、今月末に利上げがあると、30年ぶりの水準になる。30年前は公定歩合の時代で、政策金利というものではなかった。思えば遠くに来たもので、長かったデフ…

4-6月期家計GDP・インフレ下の経済政策の現実

10/8に公表された4-6月期の家計GDPでは、名目の可処分所得が前期比+0.5%だった。家計消費が+0.4%だったことと照応するものだ。他方、雇用者報酬は+1.1%だったから、賃金が伸びた割りに物足りない。すなわち、負担増が消費を抑えているという図式である。消費…

不格好でも実用重視の制度設計

8月のCTIマクロは、実質で前月比+0.2とまずまずだった。商業動態の落ち込みで危ぶんでいたが、物価高の緩和に伴う変動かもしれない。CTIミクロで実質の費目別の推移を見ると、食料の低下が目立ち、インフレでの生活の苦しさが表れている。必要なのは、食料消…

イシバノミクス・1年で最終回

今月中に新首相が選出されるので、イシバノミクスも今月でおしまい。7,8月の鉱工業生産の平均は101.5で、石破首相が選出される前の2024年7-9月期より+0.1高いだけだった。この1年、概ね横バイであり、産業政策が上手く行ってないと言うべきか、トランプ関税…

10/1の日経

8月の商業動態・小売業は、前月比-1.2と2か月続きのマイナスとなった。4-6月期に横ばいだったものが、7,8月平均はハッキリと下落しているわけで、まずい状況である。業態別でも、全般に良くなく、比較的安定している飲食料品も低下している。モノの物価も落…

経済を良くするって、どうすれば

昔、内閣府で働いていた頃、「どうすれば、景気は良くなるんだろう」という政策統括官のつぶやきに、感じ入ったものだった。立場上、「これで良くなる」と説明しなければならないのに、投資促進策に大して効き目のないことは、経験上、分かり切っていたから…

9/24の日経

8月の全国の消費者物価指数を見ると、サービス(除く帰属家賃)は、昨年7月に2%を割って以降、1年以上、2%前後で安定している。これに限らず、物価の動向からは、政策金利を0.5%に留めておく必然性は感じられない。やはり、7月に、半年に1度0.25%の利上げをす…

緊縮速報・財政健全化に必要な節度

4-6月期の資金循環が公表され、一般政府の資金過不足は、4四半期移動合計のGDP比で-0.8%となり、30年来の最高を更新した。国+地方だと未だ-2.2%の赤字だが、社会保障が+1.4%も黒字を出して、この水準だ。1年前からは、1.8%も改善しており、年内には黒字転換…

9/18の日経

8月の貿易統計が公表され、日銀実質輸出は前月比+0.3となり、7,8月平均は前期比-2.4となった。4-6月期が前期比-0.1だったのにこれでは、まあ、不調だね。質も勘案する日銀実質だと水準は高いものの、内閣府の輸出数量指数では、2024年に緩やかに増えていたも…

4-6月期GDP2次・積極か規律かの雑な論戦

4-6月期GDP2次速報は、実質年率2.2%に上方修正された。主な要因は、在庫が思いのほか減っていなかったというもので、朗報ではない。消費も少し上向いたが、前期に名目前期比で+1.7%も伸びた名残りであり、月次のCTIマクロを見ると、4~7月には、ほとんど増え…

9/10の日経

8月の景気ウォッチャーは、前月比+1.5だった。小売が好調で、コメントからも夏の消費が活発だったことがうかがえる。ボーナスの伸びも高かったし、物価も落ち着いてきたので、そうでなければ困るんだけどね。7月までの消費のハードデータが停滞していたので…

やることをやらなった7月の答え合わせ

7月の所得税収は、前年同期比+99.5%、+2.2兆円の増加だった。昨年の定額減税の反動とは言え、増税である。他方、7月のCTIマクロは、名目が2か月続きの前月比0である。物価高に消費がついていけなくなっている。これはまずい。売上を伸ばし続けることが成長の…

9/3の日経

6月の人口動態速報は、出生が前年同月比+0.5%となって、3年7か月ぶりにプラスを記録した。昨年7月は婚姻がとても多く、2024年はプラスで終わっているので、1年経って出生にも影響が及んだということであろう。それからすると、出生の下げ止まりは2026年に入…

イシバノミクス・景気と賃金改革

都道府県ごとの最低賃金は、大幅な引上げで次々に決まっていて、東京が1,226円、神奈川が1,225円になった。週20時間、年52週で計算すると、1,250円で年収130万円になるから、少し残業しただけで、扶養を外れて社会保険料の「壁」に衝突し、就労抑制が起こる…

8/27の日経

6月の景気動向指数(改定後)は、先行が前月比+0.8、一致が+0.7、遅行が-0.6だった。景気動向指数は、この1年程、先行が低下、一致が平坦、遅行が上昇とバラバラだ。先行は物価高やトランプ関税への不安で萎え、遅行は物価高と賃金アップの実体で伸びるという…