経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるブログ

経済

財政・金融政策の「ためにもならない議論」

10月のCTIマクロは、名目が前月比+0.3と7か月ぶりの高い伸びだった。4~9月に伸びが弱まっていたので、ここから戻せるのか、意外に重要な局面にある。実質が-0.3と、物価高の強い影響と併せて注目されるところだ。こういう状況を受けて、財政・金融政策はど…

7-9月期GDP1次・インフレにならない補正予算

経済対策の顛末をめぐる日経の報道が本当なら、高市首相・片山財相のコンビは、なかなかやるね。ポイントは、積み上げるためのタマ(施策)を自分で探し、どこまでならインフレにならないかを意識しつつ、国債の新規発行ラインを24年度の発行総額を下回る形に…

経済対策はお金を使うのに苦労する

昔、経済対策で全生徒にパソコンを配ってはどうかという愚策があった。そんな一気の供給力はないし、需要の急増と急減で産業を壊しかねない。馬鹿な思いつきだけど、安全保障の投資でAIを構築するとして、GPU半導体は確保できるものなのか。このように、補正…

財政再建の再設定は無用である

高市首相は基礎収支の黒字化を数年単位で判断すると言うし、諮問会議のメンバーも変わるしで、財政管理の方法は変化するようだ。従来の欠点は、黒字化の年限を切ったことで無理な緊縮が求められること、税収の見積もりが過少なこと、社会保険が度外視されて…

金融緩和と財政出動の意味論

成長や景気は、設備投資次第である。その設備投資は、金融緩和や財政出動では動かない。なぜなら、設備投資は、売上への期待に拠るからだ。例えば、輸出が増えると、設備投資も増える。売れると思うから投資して生産する。当たり前と言えば、当たり前だ。し…

4-6月期家計GDP・インフレ下の経済政策の現実

10/8に公表された4-6月期の家計GDPでは、名目の可処分所得が前期比+0.5%だった。家計消費が+0.4%だったことと照応するものだ。他方、雇用者報酬は+1.1%だったから、賃金が伸びた割りに物足りない。すなわち、負担増が消費を抑えているという図式である。消費…

経済を良くするって、どうすれば

昔、内閣府で働いていた頃、「どうすれば、景気は良くなるんだろう」という政策統括官のつぶやきに、感じ入ったものだった。立場上、「これで良くなる」と説明しなければならないのに、投資促進策に大して効き目のないことは、経験上、分かり切っていたから…

4-6月期GDP2次・積極か規律かの雑な論戦

4-6月期GDP2次速報は、実質年率2.2%に上方修正された。主な要因は、在庫が思いのほか減っていなかったというもので、朗報ではない。消費も少し上向いたが、前期に名目前期比で+1.7%も伸びた名残りであり、月次のCTIマクロを見ると、4~7月には、ほとんど増え…

やることをやらなった7月の答え合わせ

7月の所得税収は、前年同期比+99.5%、+2.2兆円の増加だった。昨年の定額減税の反動とは言え、増税である。他方、7月のCTIマクロは、名目が2か月続きの前月比0である。物価高に消費がついていけなくなっている。これはまずい。売上を伸ばし続けることが成長の…

4-6月期GDP1次・地味な需要管理の必要性

4-6月期の実質成長率は前期比+0.3%、年率で+1.0%だった。外需の寄与が0.3を占め、内需はマイナスである。もの足りない結果だが、名目成長率は前期比+1.3%、年率+5.1%になっている。もしかして、中国より上かもね。今の日本経済は、名目で構わないから、売上…

1-3月期家計GDP・可処分所得と消費の連動

1-3月期の家計GDPが公表され、名目可処分所得は前期比+1.7%だった。すでに公表されていた家計最終消費が+1.7%だったから、それに見合った数字で、可処分所得が伸びれば、消費も伸びるというシンプルな図式である。雇用者報酬は+0.7%と控えめだったが、前期の…

経済政策は無いよりマシなものらしい

「賃上げには生産性向上」と、今でも言われてるんだけど、的が外れている。アベノミクスの時には難渋したが、ポストコロナでは一気に実現した。生産性が向上したかというと違うだろう。なぜ上がったのか、目の当たりにしても分からないままだ。認識の枠組を…

地方も大幅な税収増

2024年度の地方の税収は、前年度決算比+1.9兆円となった。0.9兆円の定額減税を勘案すれば、実質+2.7兆円の増収である。予算(地財計画)からは+2.7兆円の上ブレだ。国の税収では、補正予算から+1.8兆円の上ブレで給付の財源になるとかならないとか騒がれたが、…

誰も成長戦略を知らない

国会が終わって選挙モードに入ったが、以前の「景気を良くします」という主張は消えて、バラマキを競うようになった。政治が劣化したと言うのか、経済がインフレになったからなのか、いつのまにか変わっている。肝心の設備投資は、日鉄は米国ですると言うし…

1-3月期GDP2次・マンネリの骨太

今年の骨太方針の目玉は、実質賃金の上昇なんだけど、実質であれば、交易条件の改善が必要で、それには、円安を是正するよう、日銀に着実な利上げしてもらわなければならない。他方、賃上げには売上増が必要なのだから、内需を確保するため、財政は締め過ぎ…

物価高において戦場を選ぶこと

アベムジカというバンドアニメの話を聞いて、妙なところに感心してしまった。主人公は、野心的なプロジェクトに挑み、支えることに必死で、負荷の過ぎた盟友がメンタルに異常を来たしているのを見過ごしてしまう。ついに主力を失ってプロジェクトは潰え、絶…

1-3月期GDP1次・輸入増によるマイナス成長

1-3月期の実質GDPは前期比-0.2と若干のマイナス成長と、予想どおりだった。マイナス成長は輸入増によるもので、前期の反動が多く含まれているとは言え、トランプ関税の行方によって、輸入が成長の足を引っ張り続ける経済の始まりになるかもしれない。言い換…

消費維持のための還元策の頃合い

3月のCTIマクロは、実質の前月比が+0.1で、1-3月期の前期比は+0.2で着地した。名目では+0.8で順調だ。これで1-3月期のGDPは若干のマイナス成長かな。マイナスは輸入増によるもので、住宅と設備投資は高めだから、中身は悪くない。ただ、住宅は駆込み、設備投…

再分配への遠い道

立民は「食料品消費税ゼロ」ですか。1年後には給付つき税額控除だそうですから、道半ばですな。与党は総選挙で負けてから、参院選用に再分配を必要としながら、ロクなものを用意できなかった。国民党は、一応、掲げてはいる。合理的な政策に、なかなか行き着…

迷走の中の物価の安定化

与党はバラマキに失敗し、年金からは逃避。あまりに予想どおりで、政治主導なんて、所詮、こんなもの。社会保険連動型の給付つき税額控除を導入すれば、バラマキの名分は立ち、一気に適用拡大ができて給付も下げずに済む。どうして、経済的に合理的な政策を…

10-12月期家計GDP・何がしたいのか分からない

無茶苦茶が売り物のトランプ関税だが、長期金利の高騰は心配するんだと知って驚いた。それくらい想定できるだろうに。トランプを懲らしめたければ、報復関税ではなくて、関税を転嫁して値上げすることだ。日本は、利上げで円高誘導、転嫁で数量減なら、国内…

国家はなぜ衰退するのか・10年後の世界

『国家はなぜ衰退するのか』(アセモグル&ロビンソン)は見事な政治経済学の本で、発展には自由な政治と経済の制度がカギであることを古今東西の歴史を引いて明らかにしている。その反例になり得るのが中国であり、本が出てから10年以上が経って、答え合わせが…

10-12月期GDP2次・成長と「収奪」

10-12月期GDP2次速報は、実質の前期比が+0.6%と若干の下方修正だった。それも在庫減が理由でなので必ずしも悪い要素ではない。もっとも、成長は輸入減の外需寄与度+0.7によるもので、内需寄与度は-0.2とマイナス成長である。設備投資は前期比+0.6%とまずまず…

雇用の高い伸びという景気の加速

1月の労働力調査は、雇用者が前月比+19万人となり、10-12月期が+30万人になったのに続き、1月も前期の+28万人となり、秋からの加速が保たれている。米国流に、雇用で景気を見るなら、絶好調と言って良い。しかも、これは人数の供給の話だから、名目上ではな…

10-12月期GDP1次・どのように成長は加速したのか

10-12月期GDPは実質前期比+0.7と高かったものの、2024年は、1-3月期の低さが響いて前年比+0.1とゼロ成長にとどまった。成長の基礎は、設備投資比率なので、こちらは16.6%と前年比+0.2で、アベノミクスでの最高を超え、イザナミ景気の最高に並んだ。成長は加…

貧しくも金持ちになった2024年

12月のCTIマクロが公表され、名目は前月比+0.4と、思ったより高かった。これで実質の10-12月期の前期比は-0.0で持ちこたえることになる。いまの景気の局面では、名目であろうと、消費が着実に伸びることが重要なので、とりあえず、ほっとした。総雇用者所得…

円安下の消費とトランプ就任

11月の消費は、CTIマクロが名目前月比+0.4と順調だった。もっとも、実質だと、CPIが+0.7と物価高だったため、-0.0にとどまる。12月は、東京都区部のCPIが+0.7と高く、消費者態度が-0.2とほぼ横ばいだったことからすると、同様の傾向が続いていると思われる。…

7-9月期GDP2次・設備投資は需要に連れ

7-9月期のGDPは、1次速報で前期比+0.2だったものが、2次速報では+0.3に上方修正となった。季節調整のかけ直しで、家計消費(除く帰属家賃)が+1.1から+0.8に縮み、代わりに、在庫と純輸出が押し上げた。日本経済には珍しく、消費が成長を牽引しており、やって…

消費のための金融と財政

10月のCTIマクロは名目で前月比+0.1と増勢を保ったが、実質では-0.1と7か月ぶりのマイナスとなった。消費は、賃上げと定額減税で順調に伸ばしてきたけれども、このところの物価高があって陰りが見える。11月の消費者態度は持ち直しているし、12月のボーナス…

「年収の壁」除去は、年金改革と少子化対策の必須パーツ

9月の人口動態速報の出生は、前年同月比-4.4%、過去1年間は-5.3%だった。合計特殊出生率に換算すると1.15人のレベルが続いている。厚生年金の財政検証では、経済前提が過去30年投影ケースで、出生中位だと所得代替率が50.5%で収まるが、出生低位だと46.8%と…