3月のCTIマクロは、実質の前月比が+0.1で、1-3月期の前期比は+0.2で着地した。名目では+0.8で順調だ。これで1-3月期のGDPは若干のマイナス成長かな。マイナスは輸入増によるもので、住宅と設備投資は高めだから、中身は悪くない。ただ、住宅は駆込み、設備投資は輸入によるものが大きく、いま一つ頼りない。とにかく、名目で良いから消費増を保ち、投資を引き出す展開に持ち込みたい。
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その消費を家計調査で見ると、可処分所得が削られている。1-3月期に名目実収入が前期比+0.2なのに、可処分所得は-0.8だ。気になるところだ。いかに締め過ぎないかが経済政策のカギだが、疎かになっている。選挙の人気取りに、荒っぽく大規模な減税がぶち上げられるばかりで、経済を調整する上で、どの程度、どこに充てるのが最善かという戦略がまるでない。この国に戦略的思考を求めるのは虚しいのだけれど。
3月の国の税収は、前年同月比+15.7%とかなり高かった。この調子だと、補正後の2024年度予算額を1.8兆円ほど上ブレるのではないか。前年度決算比だと+3.1兆円くらいだ。2兆円の定額減税をやってこれなので、実質+5兆円の増収だ。たまたまにせよ、定額減税をやってちょうど良かったくらいだ。コロナ後の名目成長の動向だと、毎年、2兆円程度の減税や再分配を重ねていくというのが頃合いだと思う。
消費減税やガソリン減税は、規模が大きすぎて、経済政策として危惧するレベルで、充てる先も、高所得者とか年金の物価スライドで補われる高齢者に拡散してしまう。非正規の低所得者、結婚・出産に直面する若者といった、成長にもつながるような分配を考えなければならない。具体策としたら給付つき税額控除なのだが、看板にしていた立民党まで消費減税を掲げるようでは、大衆迎合で戦略を捨ててるとしか言いようがない。
(図)
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度が過ぎた減税は、一部に大受けでも、他方で先行きに不安を与え、支持を限られたものにする。国民党が人気だったのは、所得控除に現実味があったからだろう。野放図さを与えては逆効果になる。有権者が真に欲しているのは、経済政策として成り立つ筋立てであって、バラ撒けば選挙に勝てるなどと思う政治家は、国民をバカにしている。そもそも、政治が売るべきは、利得でなく、戦略なのだ。
(今日までの日経)
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