経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるブログ

イシバノミクス・備蓄米放出の中での物価と消費

 4月の商業動態・小売業は前月比+0.6で、1-3月期より-0.2となった。前月の大幅減からの戻りとしては小さく、もう少し欲しかった。景気を保つには、名目であれ、売上が伸び続けていることが必要であり、トランプ関税で輸出に悪影響が出ることは避けられない中で、ここに変化が生じていないかが注目点だ。世間的には、備蓄米の放出で持ち切りだが、それは物価高のごく一部である。

………
 4月の労働力調査は、男性雇用者が前月比+4万人と、3か月連続の増で上昇がうかがえる一方、女性雇用者が前月比-4万人と、逆に3か月連続の減だった。ちょっと心配な動きである。失業率はさして変わらず、非労働力人口が減らなくなっている。4月の新規求人倍率は、2.24倍で前月比-0.08であり、わずかずつ上昇してきていたものが、やや大きめの低下となった。変化の兆しでなければ良いが。

 5月の東京都区部消費者物価指数は前月比+0.3だった。この1年の動向からすれば、低めである。米は上がっていても、生鮮が下がっており、加工食品が相変わらず高い。米の値上がりは問題だが、ウエイトは小さく、物価高の問題は加工食品にある。賃金上昇以外の要因をどう下げるかが焦点であり、政策的に打てるのは円安是正になるが、5月は円安がぶり返してしまった。

 4月の鉱工業生産は前月比-0.9と3か月ぶりの低下だった。そんな中でも消費財の水準が高いのは救いである。鉱工業生産の予測は5月が異様に高く、反動で6月が低下しているが、季節調整の乱れかと思う。原指数で見ると、昨年よりは高いけれど例年並みの水準になっている。いずれにせよ、トランブ関税の影響は、これから避けられまい。景気を見るには、消費財や建設財の動きを見守ることになる。

(図)

………
 5月の消費者態度は前月比+1.6と、トランプ関税で急落した3月の-2.9の半戻しに過ぎない。秋からの物価高を受けた12月以来の低下トレンドの範囲内にある。物価高も一服してきたのだから、そろそろ底入れを見たいところである。米は象徴的なものに過ぎないが、その低下で物価の落ち着きに気づき、消費が上向く形になってもらいたい。内需主導の景気は、なかなか微妙なものである。


(今日までの日経)
 米鉄鋼・アルミ関税50%、4日から。「理想の結婚候補」とマッチング、3.8%の狭き門。高齢求職者、4月12万人超で最多に。日鉄、電炉に8600億円。資金循環からみる企業と家計。