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人口動態速報で最新の出生の状況を確認すると、1月は、前年同月比+6.0%、3800人の増だったが、前年の2021年1月が極端に少なかったためで、水準はかなり低い。前年2021年1月の9か月前と言えば、2020年4月であり、初めての緊急事態宣言で経済社会が大きなショックを受けた頃だ。極端な少なさは、2021年2月も続き、3月になって、コロナ禍の影響が出る前の2020年に近い水準へ浮上した。
そのため、2022年1月も、前々年の2020年に近い水準を期待していたが、差がついてしまった。4月下旬に2月分が公表されるので注目される。この数年の合計特殊出生率を振り返ると、1.45の2015年をピークに1.42の2018年までは毎年-0.01の緩い低下だったが、2019年に1.36と-0.06も落ち、2020年は1.34となり、未発表の2021年は1.34くらいに落ちていると思われる。今後、2022年が毎月の出生数で前年を上回り続けられるかが焦点だ。
出生率の低下の理由としては、若年層の女性人口の縮小や出産先送りの年齢の限界への接近などが指摘されるが、経済状況も関係していると考えられる。もともと、理想子供数に足りない理由にお金が挙げられるし、出会いのなさは収入の高い人とのものだ。景気の拡大は、2018年の前半がピークであったから、2019年以降、出生が低下したことの一因になっていると思われる。
若者、特に非正規の女性には、育児休業給付がないので、結婚して子供ができたら、生活に困ることになる。幼児教育が無償になっても、子育て世代に10万円が給付されても、未婚のままでは意味がない。これらは、ある意味、結婚に恵まれた人たちへの支援策である。財源で言えば、年に6000億円ほどで実現できるにもかかわらず、非正規の若者の政治的な声は小さく、差別的なのに、ついぞ日の目を見ずにいる。
(図)

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原油高と円安によって、国民生活は大きな打撃を受けているから、毎月2500億円を投じるガソリン補助金のような経済対策も必要とは思うが、主にクルマを持っている人の助けになるもので、クルマ離れの非正規の若者にとっては縁遠い。コロナ禍に限らず、目先の経済対策に、毎年、3~5兆円の補正予算がつぎ込まれて来たのだから、財源がないわけでもないのに、目先の対策に追われ、低所得の若者への施策は看過されているうち、少子化は深刻化して、毎年、県が消えていくことになったのである。
(今日までの日経)
中国で広がる移動制限。総人口、64万人減 1億2550万人、減少率最大に。ガソリン補助引き上げ、与党提言 政府、月内に物価高対策。「雇用なき労働」に法の保護。