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経済政策と社会保障を考えるブログ

円安下の消費とトランプ就任

 11月の消費は、CTIマクロが名目前月比+0.4と順調だった。もっとも、実質だと、CPIが+0.7と物価高だったため、-0.0にとどまる。12月は、東京都区部のCPIが+0.7と高く、消費者態度が-0.2とほぼ横ばいだったことからすると、同様の傾向が続いていると思われる。消費は、名目では順調に伸びていても、実質では低迷しており、10%消費増税の水準を取り戻せないまま推移している。

 消費をCTIミクロで費目別に見ると、食料は名目では大きく伸びているのだが、10%消費増税以来、実質では下がる一方となっている。エンゲル係数の高まりが騒がれているが、食べる質を減らしているわけで、生活の苦しさが身にしみるのも無理はない。交通・通信は実質が増税前とほぼ変わらず、教養娯楽は名目では増税前並みでも実質では取り戻せずにいる。光熱・水道は名目が上下してきたが実質は横ばいだ。

(図)


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 消費を伸ばすには、可処分所得を増やすか、円安を収めるかである。11月の毎月勤労統計は、常用雇用が前月比+0.3、現金給与が+0.6であり、総雇用者所得は名目で+0.5となっているから、所得は順調である。問題は、円安がぶり返していることで、10月の149.6円から、11,12月は153.7-8円になっている。資源高は収まっており、円安による物価高の圧力をかわさないことには、実質の消費を浮上させられない。

 日銀は、円安是正には消極的で、12月のチャンスを見送ってしまった。管理相場制の中国ですら、為替に金融政策を動員せざるを得なくなっており、日銀が「躊躇なく」やらずしてどうするのかと思う。建前は床の間に飾っておいて、金融政策は為替ぐらいにしか役に立たないと割り切ることが必要だ。むろん、上手くいくかは、トランプの米国がどう動くかを読む必要があるにしてもである。

 その米国は、大統領就任の直後に、関税の一律の引き上げがなされると、物価上昇の思惑から、長期金利が上がり、ドル高が進むことが考えられる。すると、輸入品の物価はあまり上がらずに済み、増税したのに消費が冷えないという、おいしい事態になる。おいしくないのは、ドル高に巻き込まれ、円安の物価高で、またぞろ消費が削られる日本である。追っかけで利上げしたところで、なかなか効かないことになりそうだ。


(今日までの日経)
 米利下げ休止論、一段と。ガソリン補助金が縮小。20代、消費けん引役に。東京都、税収最大の6.9兆円台。みずほ銀、長プラ年2.0%に。日本車3社、中国低迷。中国、止まらぬ金利低下。